ジョハリの窓と5Dプロファイル診断

本コラムでは、心理学モデルであるジョハリの窓と、適性診断である5Dプロファイル診断の関係を整理し、 特に「盲点の窓」「未知の窓」がどのように言語化されるのかを解説します。

1. 自分と他人との心理学。すれ違いのメカニズムとは。

私たちは毎日、人と話し、人と働き、人と関わりながら生きています。ところが、そのやり取りは思った通りには進みません。
「そんなつもりじゃなかった」「なぜ誤解されたのか分からない」「ちゃんと説明したのに伝わらない」──こうした経験は誰にでもあります。

では、なぜ“すれ違い”は起こるのでしょうか。その理由は、とてもシンプルです。
自分が見ている自分と、相手が見ている自分は、ほとんどの場合ちがうからです。

人は、自分の内側から自分を見ています。気持ち、意図、背景、迷い。自分の中には理解するための材料が揃っています。
しかし相手には、あなたの外側しか見えていません。表情、口調、行動、その瞬間のふるまいだけです。

この“内側の情報”と“外側から見える情報”の差こそが、すれ違いの正体です。

たとえば、あなたは「慎重に考えているだけ」でも、相手には「返事が遅い」「やる気がない」と見えるかもしれません。
あなたは「丁寧に話している」つもりでも、相手には「話が長い」「要点が分からない」と感じられます。
あなたは「気を遣って意見を控えている」だけでも、相手には「何を考えているのか分からない」と写ることがあります。

どれも能力の問題ではなく、“見えている領域の違い”が原因です。

この違いを分かりやすく整理した心理学モデルが「ジョハリの窓」です。
そしてさらに深く、
・性格
・感情
・思考のクセ
・行動パターン
・価値観
など、外から見えにくい領域まで客観的に明らかにするのが、適性診断(5Dプロファイル診断など)です。

ジョハリの窓は“すれ違いの構造を理解する地図”。
適性診断は、その地図の上に自分の現在地を示すための道具です。

自分と他人は、見えているものが違う。この前提を知るだけで、人間関係は驚くほど扱いやすくなります。

2. 「ジョハリの窓」って何?

「ジョハリの窓」とは、自分が知っている自分と、他者が知っている自分を整理して、 コミュニケーションのすれ違いをわかりやすく見える化した心理学モデルです。

この図は、人の自己認識を「知っている/知らない」の2軸で整理し、 4つの窓として表現しています。

ジョハリの窓の図

図の中央にある「解放の窓・盲点の窓・秘密の窓・未知の窓」は、あなたがどの部分を自分で理解しているのか、 そしてどの部分を他者が理解しているのかによって分けられます。

① 解放の窓(公開された自己)

あなた自身も知っていて、他者も知っている部分です。
お互いに共有されているため、誤解が生まれにくい領域です。

② 盲点の窓(気づかない自己)

他者は知っているけれど、あなた自身は気づいていない部分です。
たとえば、表情や言い方のクセなど、自分では気づきにくいことが含まれます。

図の右上に緑色の矢印で示されているように、「フィードバックを受ける」ことで、盲点の窓は小さくなり、 解放の窓が広がります。

③ 秘密の窓(公開していない自己)

あなたは知っているけれど、他者には話していない部分です。
本音、価値観、心のクセなど、意図的に隠しているものが含まれます。

図の左下に青い矢印で示されているように、「自己開示をする」ことで、秘密の窓は小さくなり、解放の窓が広がっていきます。

④ 未知の窓(誰も気づかない自己)

自分も他者もまだ気づいていない部分です。
潜在能力、未経験の場面で表れる行動、眠っている才能などが含まれます。

経験、環境の変化、学習によって、少しずつこの領域が明らかになります。

⑤ フィードバックと自己開示の役割

図に描かれている矢印が示すように、コミュニケーション改善のカギは「フィードバック」と「自己開示」にあります。

これらによって、「解放の窓」が広がり、誤解やすれ違いが減っていきます。

ジョハリの窓は、職場でも家庭でも、人間関係を改善するうえで非常に役立つシンプルなモデルです。

※ ジョハリの窓の基本的な定義や背景については、 Wikipedia「ジョハリの窓」でも確認できます。

※ フィードバックについては、 Wikipedia「フィードバック」でも確認できます。

※ 自己開示については、 Wikipedia「」でも確認できます。

3. ジョハリの窓と5Dプロファイル診断の相関

検索キーワードで多い「ジョハリの窓 盲点」「ジョハリの窓 未知」は、まさに自己理解の限界に関わるテーマです。 5Dプロファイル診断は、この限界領域をデータで言語化できる点に特徴があります。

「ジョハリの窓」は、自分と他者がそれぞれ“どこまであなたを理解しているか”を整理するモデルです。
一方、5Dプロファイル診断は、性格・感情・思考・行動・価値観といった見えにくい内面をデータとして可視化する適性診断です。

この2つには強い相関があります。
なぜなら、どちらも「自分が知っている自分」と「自分の知らない自分」を明らかにするという目的を持っているからです。

● 自分の知っている自分 × 5Dプロファイル診断

日頃「自分はこういうタイプだ」と思っている部分は、ジョハリの窓でいう開放の窓(公開された自己)にあたります。 5Dプロファイル診断を受けると、その「自覚している特徴」がデータとして整理され、より明確な言葉で理解できるようになります。

“なんとなくの自己理解” が “はっきりした自己理解” に変わる領域です。

● 自分の知らない自分 × 5Dプロファイル診断

人には、自分では気づかないクセや傾向が必ずあります。
これはジョハリの窓でいう盲点の窓(気づかない自己)、または未知の窓(誰も気づかない自己)にあたります。

5Dプロファイル診断では、質問への回答パターンや特性スコアから、本人が普段は気づいていない行動・感情・思考のクセが浮かび上がります。

そのため、診断結果を見て 「これは自分でも気づいていなかった」、「言われてみれば確かにそういうところがある」
という“新たな発見”がよく起こります。

● フィードバックとデータの相補関係

ジョハリの窓では、フィードバックによって盲点が減り、自己理解が深まります。しかし、フィードバックには 他者の主観が入るため、どうしてもバイアスが発生します。

一方、5Dプロファイル診断は、心理学と統計に基づく客観データで内面を分析するため、 主観の偏りを補い、盲点や未知の領域をより正確に把握できます。

主観(フィードバック)と客観(診断データ)がそろうことで、4つの窓がよりクリアになるという関係です。

● 「知らなかった自分」との出会い

ジョハリの窓と5D診断を組み合わせることで、私たちは次の2つを同時に得ることができます。

つまり、5Dプロファイル診断は、ジョハリの窓で示される4つの領域のうち、特に「盲点」「秘密」「未知」の領域を可視化する強力なツール として機能します。

ジョハリの窓が“見え方のズレ”を整理するモデルであるのに対し、5Dプロファイル診断は“そのズレを生む内面”をデータとして示します。 必ずセットで使う必要はありませんが、併せて理解することで、自己理解の解像度が大きく高まります。

4. 結論

ジョハリの窓には、重要な強みがありますが、同時に決して越えられない限界もあります。
それが、図の右下にある「未知の窓(誰も気づかない自己)」です。

未知の窓は、どれだけ努力しても、ジョハリの窓だけでは知ることができません。
理由はシンプルで、
「自分も他人も気づいていない」という前提があるからです。
気づいていないものは、フィードバックでも自己開示でも掘り起こせません。

しかし、ここで5Dプロファイル診断の最大のメリットが発揮されます。

5Dプロファイル診断は、性格・感情・思考・行動・価値観など、表には見えない領域を、心理学と統計データに基づいた分析で可視化します。
そのため、本人も他者も気づいていない部分──つまり未知の窓にも手が届きます。

・自分は気づいていないけれど、実は強みになり得る特性
・まだ経験していない状況で発揮される可能性
・隠れた適性や役割への向き・不向き
など、通常の観察や会話では絶対に見えてこない部分まで明らかになります。

つまり、ジョハリの窓が“構造の理解”に強いモデルであるのに対し、
5Dプロファイル診断は“実際の中身”を深層まで分析できるモデル
です。

未知の窓にアプローチできるかどうか。
ここが、5Dプロファイル診断が他の心理モデルと根本的に異なる最大の価値です。

※ 5Dプロファイル診断の仕組みや、性格・感情・思考・行動・価値観をどのように分析するのかについては、 5Dプロファイル診断の解説ページをご覧ください。