ProfileXT診断ツール

人と職務の適合性(ジョブフィット)を見極めるアセスメントとして、ProfileXT(PXT)は世界中で多くの実績を築いてきました。 人と職務の適合性を測定する戦略的人材アセスメントとして有名です。 性格(Personality)、認知能力(Thinking Style)、職務志向(Interests)を統合的に診断し、特定の職務モデルに対する「職務適合率」を数値化することが特徴です。
それを、「思考スタイル・認知能力」「行動特性」「仕事への興味」の3つの軸で20の指標を測定しています。 さらに、「思考スタイル」では、職務との適合度を評価する「言語的推論」「数的推論」「言語スキル」「計算能力」の4指標により、 IQ的思考スタイルをベースにした情報処理能力を測定しています。これは、従来の知能因子理論(Cattell-Horn-Carroll理論)に通じる構成をしています。

① 定義:ProfileXT診断ツールとは何か?

PXTとは、米国の人材アセスメント会社「Wiley(旧Profiles International)」が提供する、総合的な適性診断ツールです。 主に採用、配置、リーダー育成、後継者選定の目的で、性格・認知能力・職務適合性などの多角的な指標を測定します。 企業が人材と職務のマッチングをデータに基づいて判断できるよう設計された、高度な職務適合型のアセスメントです。

② 解説:PXT診断ツールが導入されている背景

職務ベンチマーク(理想プロファイル)と受検者のスコアを比較し、職務適合性スコアを数値で可視化します。 受検時間は約60分で、Web上で実施可能です。診断後は、採用判断用レポートだけでなく、入社後の上司・本人向けの行動指針も自動で生成されます。

③ 特徴(長所):PXT診断ツールの評価される理由

④ 短所・課題:PXT診断ツールの抱える深刻な構造的問題

⑤ 結論:PXT診断ツール“職務診断”にすぎない

短所・課題に指摘した「質問の翻訳に違和感がある」では、日本語として不自然な表現や違和感のある文が多く見られた。
たとえば、I work best when goals are clearly defined. 「目標が明確に定義されているときに、最も良く働けます。」がある。この日本語の質問で12名の日本企業の課長職にヒアリングをとった結果、 質問の「最も良く働けます。」の理解が、「気分よく働ける」「ストレスが少なく働ける」「目的意識を持って働ける」であった。 質問の解釈がこれだけ異なれば、再現性は極めて低い。正確性も決して高くないように思える。 翻訳が適切でないこと、不自然な翻訳が多く散見されることは、おそらく機械翻訳であるか、または、日本の文化的背景を理解していない翻訳者による翻訳としか想像できない。 このような意味が不明、または、回答のポイントが分からない場合、適切な回答はできない。このような状態で診断することは、日本においては不可能である。

さらに、職務モデルが古すぎて近年の新規職務が含まれていない。ジョブ型を前提とした古典的な職務定義をしている。 VUCAの時代に出てきた新しい職種を追加しないと使用できないと感じた。(以上は筆者の私見を含みます)

⑥ 提案:ProfileXT診断ツールは「成長を促す診断」へと再設計されるべきである

PXTが価値ある診断とするためには、VUCAの時代に必要とされる職種モデルのベースの再設計が必要である。 これらはこの時代に必要な世界共通の代表的な職種の共通点である。

基礎となる特徴 職種モデルに必要な特性の解説
組織に属しながらも自律的である 指示待ちではなく、変化の中で自分で動くことが求められる
正解がない課題に取り組む 前例がない・数値化できないテーマに仮説ベースで挑む
領域横断的なスキル IT × 組織 × 心理 × 法務など、複数領域の理解が前提になる
常に「学び続ける姿勢」 知識や方法が陳腐化するスピードが早く、アップデートが必須
データと感性の両立 ロジックだけでなく、共感・人間理解も重視される